第一回 「木曽義仲」

 

富山県教育文化会館開館45周年を記念した主催事業の一環として、音楽朗読劇「凛音×天声」を上演することになりました。本作は昨年1月に座高円寺東京都にて上演され、新たに富山県で再演されるものです。

 

そこで、音楽朗読劇「凛音×天声」を皆様によりいっそう楽しんでいただくため、全14回に渡って本作の主人公、木曽義仲とは一体どんな人物だったのか。富山県に伝わる義仲の史跡を巡りながらご紹介していきたいと思います。

 

この記事を担当するのは「凛音×天声」の脚本・演出家、江嵜大兄えざき  おひねです。演出家自ら、木曽義仲の魅力を語っていきたいと思います(

 

さて、木曽義仲とはどんな人物だったのか? ご存知の方には釈迦に説法ですが、義仲をご存知でない方もたくさんいらっしゃると思いますので、簡単に説明していきたいと思います。まずはこちらの写真をご覧ください。

 

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富山県小矢部市の埴生護国八幡宮の境内に鎮座する木曽義仲像です。ひと際、目を引く巨大な像で、私身長170センチと比べたらその大きさが伝わるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

また、今回訪れた小矢部市では木曽義仲を題材にしたNHK大河ドラマの誘致プロジェクトが盛んに行われています。





 

 

義仲をイメージしたお菓子もあります。

 

 


 

そんな地元の人々に愛される木曽義仲は源氏の血を引き、鎌倉幕府を設立した源頼朝の従兄弟にあたります。まさに「平家にあらずんば人にあらず」と謳われた時代、平家を政権の座から降ろし、歴史を大きく動かしたのは義仲でした。

平家を相手に奇跡的な勝利を幾度も重ねた義仲は戦の天才だったわけですが、山育ちのため都のしきたりや政治には疎く、貴族たちの反感を買い宮中を敵にまわしてしまいます。そして、義仲と共に行動した多くの武将たちが彼のもとを離れ、東も西も都も周りは敵ばかり。ついには源頼朝の弟、源義経に攻められ近江国粟津の地滋賀県大津市にて戦死します。  義仲の最期は本作にも深く関わってくるシーンですので、ここでは割愛させていただきますが、そんな義仲の一生を芥川龍之介はこう言い表しています。

 

「彼の一生は失敗の一生なり。彼の歴史は蹉跌の歴史なり。彼の一代は薄幸の一代なり。しかれども彼の生涯は男らしき生涯なり」

 

また、松尾芭蕉は義仲の句を詠み、自分の死後は義仲の墓の隣に葬るように弟子たちに頼みました。

 

歴史書では悪人として語られることの多い義仲がここまで人々の心をひきつけるのは何なのか?

 

平家物語巻第九に収められている「木曽最期」をモチーフに、教科書にも歴史書にもどこにも載っていない新たな木曽義仲を描きます。観に来てくださった皆様の心に残る作品となるようキャスト・スタッフ一丸となって作品をつくります。ご来場、心よりお待ちしております。

 

音楽朗読劇 凛音×天声

脚本・演出 : 江嵜大兄

作曲・音楽監督 : furani

Cast : 小林親弘/能登麻美子/新垣樽助/勝 杏里

2019年11月24日(日)

開演15:00(開場14:30)

富山県教育文化会館 ホール

 

 

次回は木曽義仲と共に戦った女武将、巴御前についてご紹介したいと思います。

 

 

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