第十回「凛音×天声」

 

富山県教育文化会館開館45周年を記念して上演される音楽朗読劇「凛音×天声」。

本作をよりいっそう楽しんでもらおうと富山県文化振興財団と、わたくし江嵜大兄がお送りする公演PR連載も今回で十回目!

 

十回目はいつもの記事とは趣を少し変えて、音楽朗読劇「凛音×天声」に出演するキャスト、裏で私たちを支えてくれるスタッフの皆さんをご紹介したいと思います。

 

まず、本作の主人公『木曽義仲』を演じていただくのは、小林親弘さん。

 

 

初演に引き続き、義仲役を演じていただきます。

小林さんは初演である重要なシーン(ネタバレになってしまうのでここで書くことはできませんが)で鳥肌が立つような迫真の芝居をしてくれました。それは、私の頭の中で思い描いた義仲を越えてくれる芝居でした。役者がセリフのイメージを越えてくれるのは劇作家冥利に尽きます。本当に素晴らしい役者さんです。

 

そして、『巴』を演じていただくのは、能登麻美子さん。

 

 

能登さんとは以前に教育文化会館で上演した「音楽朗読劇 白鷹の山」、「凛音×天声」の初演、そしてこの富山再演と今回で三回目になります。能登さんをご紹介するにあたって、自分はここで何を書いたらいいのかと戸惑うほど、お人柄も芝居も素晴らしい方です。

「凛音×天声」において、巴が抱えるものは巨大で、演者には大きな負荷がかかります。

能登さんならばと思い、出演をお願いし、業を背負う巴を描かせてもらいました。

今回はどんな巴が生まれるのか、楽しみでなりません。またご一緒できることは光栄に思います。

 

 

 

 

『今井兼平』の演じていただくのは、勝杏里さん。

 

 

初演に引き続き、兼平を演じてもらいます。義仲軍に敗戦ムードが漂う中、一人気を吐いて義仲を勇気づけていたという兼平ですが、そんな兼平役を演じていただく勝さんの声を聞いているだけで背中を押してもらっているような気がします。舞台を創っていると様々なトラブルがあり、立ち行かなくなることもあるんですが、勝さんがいるだけで安心できる。私にとって勝さんはそんな存在です。今回もご一緒できることが本当に嬉しい。

 

 

そして、『覚明』を演じていただくのは、新垣樽助さん。

 

 

新垣さんとご一緒するのは「凛音×天声」の初演、「久米島朗読劇くめよみ」に続いて、今回で三回目です。三回目なのですが、新垣さんとはもう何度も作品を創らさせていただいているような気がするほど、私が心の底から信頼し、尊敬する役者です。以前の記事でも書きましたが、覚明は義仲の祐筆であり、平家物語の編纂に深く関わったとされている人物です。とても繊細な表現が求められる役であり、新垣さん以外に演じられる方はいないと思っています。

 

さて、次はスタッフの皆さんをご紹介したいと思います。

 

作曲・音楽監督は初演に続き、furaniさんが担当します。

 

 

毎回素敵な楽曲を提供してくださるfuraniさんですが、「凛音×天声」においても音楽を聴いているだけで物語の情景が浮かんでくるほどの演奏で観客を魅了してくださいました。

一部と二部の間にバンドによる演奏がありますので、そちらも是非注目してください。

 

 

 

 

チラシ前面のデザインは私が以前からお世話になっているイラストレーターTCBさんにお願いしました。

 

 

人気ゲームのキャラクターデザインを手がけイラストレーターとして大活躍中のTCBさんですが、私はTCBさんが描く人物、世界観が大好きで、今回はお忙しいところ無理を言って書いていただきました。チラシは富山県内の施設、アニメイトなどで手に入りますので、近くにいらした方はお手に取ってみてください。順次、東京の施設においても配布される予定です。

 

映像は初演につづき、神林裕介さんです。今回は再演バージョンにより、映像を使用するシーンが初演よりも増えています。初演で大好評だった神林さんの映像ですが、再演ではさらにパワーアップしています。神林さんの創り出す映像美にも是非ご期待ください。

 

舞台照明は、照明チーム『LICHT-ER』の阿部将之さんです。阿部さんとはもう長い付き合いで、私が演劇をはじめた頃からお世話になっています。阿部さんとの現場はいつも楽しく、毎回いろんな刺激を与えてくれます。神林さんとの映像と合わせてどんな劇空間ができるのか、今から楽しみです。照明にもぜひ注目してください。

 

舞台美術は劇団青年座の根来美咲さんです。初演も舞台美術を担当していただきました。

根来さんは作品の世界観をしっかりと理解して、美術で空間を創るだけではなくお客さんも楽しませるような素晴らしい作品を創ってくれます。

 

そして、舞台監督は長尾光裕さん。長年私の音楽朗読劇を支えてくださる方で、全てのセクションの取りまとめをしてくれます。今回もお世話になります。

 

音響は三代昭史さん。音楽朗読劇「白鷹の山」に続いて、2回目です。バンドの演奏や演者の芝居を裏から支えてくださります。

 

演出部で手伝ってくれるのは、細田知沙さん。初演のときから手伝ってくれていて、演出部として私のサポートをしてくれています。

 

制作は清岡勇太さん。元々、音楽朗読劇「凛音×天声」は私と清岡で企画した公演です。

こうして富山県で再演が決まったのは私たちにとって本当に嬉しいことでした。

 

そして最後に、本公演の主催は公益財団法人富山県文化振興財団の皆さんです。

私が富山県文化振興財団さんに関わらせて頂くのは、

音楽朗読劇「白鷹の山」(出演:石田彰、能登麻美子、津田健次郎)。

音劇「北前船」(出演:堀江一眞、沼倉愛美、佐藤拓也)

「家持の歌・とやまのうたコンサート」(出演:天野由梨、利根健太郎)

に続いて、これで4回目となります。

大規模な公演のため、舞台製作には予算が大幅にかかり、スケジュールも厳しいなか、少しでもお客さまに楽しんでいただけるよう、いい作品を創れるようにと、毎回試行錯誤を繰り返しながら公演をしてきました。だから、文化振興財団の皆さんとはどこか戦友のような感覚がするんです。富山県にゆかりのある武将、木曽義仲の物語を富山で上演することは、自分にとっては恩返しのような気持ちがあります。

 

朗読劇はよく、「難解だ」、「退屈」、「眠くなってしまいそう」といったネガティブなイメージで語れることが多いのですが、本公演は耳だけではなく、目でも楽しんでいただけるようさまざまな演出法を取り入れています。

 

これまで朗読劇を観たことがなかった方、朗読劇にネガティブなイメージを持っていた方にも楽しんでいただける作品だと思います。

 

11月24日、劇場でお待ちしています。

 

音楽朗読劇 凛音×天声

脚本・演出江嵜大兄  作曲・音楽監督 furani

Cast 小林親弘能登麻美子新垣樽助 杏里

20191124

開演1500開場1430

富山県教育文化会館 ホール

全席指定一般3,500円 高校生以下1,000円

プレイガイドアーツナビ(富山県教育文化会館 富山県民会館 富山県高岡文化ホール 新川文化ホール)

ローソンチケット(Lコード55784)



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