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イベント情報

富山県教育文化会館開館45周年記念事業 人形浄瑠璃 文楽公演

富山県教育文化会館開館45周年記念事業 人形浄瑠璃  文楽公演
舞台公演

【昼の部】「生写朝顔話」            
      
      解説:竹本小住太夫

【夜の部】「ひらかな盛衰記」「日高川入相花王」 
  
      解説:豊竹亘太夫







                         (写真)青木信二

催事名
富山県教育文化会館開館45周年記念事業 人形浄瑠璃 文楽公演
開催日
2019年10月15日(火)
開催時間
【昼の部】開演14:30(開場14:00)/【夜の部】18:30 (開場18:00) *2回公演
入場方法
<チケット発売準備中>
*2019年7月20日(土) 10:00~ 発売予定

<全席指定>
一 般  4,000円
高校生以下  1,000円
(各当日500円高)
2公演セット券5,000円
会場
富山県教育文化会館 ホール
主催者
公益財団法人富山県文化振興財団 富山県教育文化会館
問い合わせ先
富山県教育文化会館 ☎076-441-8635
Arts-Navi取扱
友の会特典
その他
◇生写朝顔話
明石船別れの段・笑い薬の段・宿屋の段・大井川の段

 お家騒動にすれ違いの恋を絡ませた物語。主人公のモデルは美男とされる17世紀の陽明学者熊沢蕃山。出会いの場で男が女の扇にしたためる朝顔の歌「露のひぬ間の朝顔…」も蕃山の作です。
 京で学ぶ宮城阿曾次郎は、武家の娘深雪と出会い、恋仲に。けれども、お家乗っ取りの陰謀を阻止すべく急遽故郷の周防へ、別れを悲しむ深雪もまた両親と安芸に帰ることになり、別々の船で西へ向かう二人が、偶然、明石浦での風待ちの間に再会。恋人と一緒に行こうとする深雪、しかし、船が動き出し、遠ざかる阿曾次郎の船に扇を投げ入れるのでした。
 その後、阿曾次郎が駒沢次郎左衛門と改名したとは知らず、深雪は駒沢との縁談を拒んで家を出、阿曾次郎を探して流浪し失明、東海道の嶋田宿で朝顔の歌を唄って露命を繋いでいます。そこに駒沢が宿泊。相役の岩代は陰謀に加担する悪者で、しびれ薬を茶に混ぜ、駒沢に飲ませようと一味の医者祐仙と画策。祐仙は、宿の主人が笑い薬にすりかえたことも気づかず、駒沢の前で堂々と毒見、こっそり飲んだ解毒剤も効かず、笑い苦しむはめに…。
 その後、朝顔の名で呼ばれる落ちぶれた深雪の姿に衝撃を受ける駒沢。が、岩代の手前、名乗ることもできず、翌朝出立。残された扇から恋人と知った深雪は、後を追って大井川へ。
けれども、大雨で川止め、恋人は既に渡ったあと。身の不運を嘆き、絶望する深雪を救ったのは…。
 天保3年(1832)、大坂の稲荷社内で初演、司馬芝叟の長唄『蕣』をもとにした読本『朝顔日記』(1811)や歌舞伎による、山田案山子の五段の時代物で、今回は二、四段目から上演いたします。


◇ひらかな盛衰記
松右衛門内の段・逆櫓の段

 木曾義仲の忠心樋口次郎兼光と、孫を殺された恨みを乗り越える老船頭の物語。舞台となる摂津国福島(大阪市福島区福島)は、源義経と梶原景時が、船を前後自在に動かす逆櫓の導入をめぐって争論した地と伝えられています。
 かわいい孫はいつ戻るのか、早く会いたい…。福島の船頭権四郎は、先々月、娘と孫の槌松と一緒に亡き婿の菩提を弔うため巡礼に出て大津に宿泊。深夜、宿になだれ込んだ捕り手に驚いて大慌てで逃げ出し、孫と隣の宿泊客の子との取り違えに気づいたのは、かなりたってからのこと。孫には住所を記した笈摺があり、先方から訪ねて来るはずと、子供を連れて帰って大切に養い、孫の帰りを待ち焦がれていました。
 けれども、笈摺を頼りに訪ねてきたお筆が告げたのは、孫の死。義経勢に討たれた義仲の若君と間違われ、殺されたのでした。子供を諦め、若君を返してとのお筆の身勝手な言葉に、
権四郎は激怒。若君を殺そうと、最近婿入りした松右衛門に加勢を求めたところが、婿は若君の味方に。
 実は、松右衛門こそ樋口次郎兼光。婿入りして、権四郎からの逆櫓の技を習い、義経の船の船頭となって主君の仇を討とうとしていたのです。縁あって我が子となった槌松の忠義を喜び、婿として舅の怒り、悲しみに心を寄せ、若君を助け、武士道を立たせてほしいと願う樋口。その誠意に心を打たれ、権四郎は恨みを捨てるのでした。
 夕方、海へ出て、梶原景時配下の船頭たちに逆櫓の技を教えた樋口は、正体を見抜いて襲いかかる船頭たちを難なく倒します。
 幼子への思いが胸に迫る「松右衛門内」。「逆櫓」は船を漕ぐかけ声も勇ましく、三味線の演奏も人形の動きも豪快。文耕堂ほかの合作、元文4年(1739)、竹本座で初演された五段の時代物の三段目です。


◇日高川入相花王
渡し場の段
 
 道成寺(和歌山県日高郡日高川町)の安珍・清姫伝説を題材とした時代物。恋しい安珍を女に奪われ、嘆き、妬み、恨んで、大蛇と化してしまった清姫。安珍を取り殺そうと、波の荒れ狂う日高川を泳いで渡る迫力に、ご期待下さい。
 『日高川入相花王』(1759・竹本座・近松半二ほか)の外題で上演される現行の「渡し場」は、素人浄瑠璃でも知られた絵師の耳鳥斎が、『道成寺現在蛇鱗』(1742・豊竹座・並木宗輔ほか)の四段目の同様の場に手を加えた素浄瑠璃をもとにしたものと考えられています。
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