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今年の公演は、五代目尾上菊之助さんを座頭に、古典歌舞伎の名作「曽我綉侠御所染 御所五郎蔵(そがもようたてしのごしょぞめ ごしょのごろぞう)などを上演します。
この機会にぜひお楽しみください。
【あらすじとみどころ】
■近江のお兼
琵琶湖の畔の辺りに暮らす、娘お兼はその美しい見目からは思いも寄らず、漁師を相手に自慢の力で跳ね飛ばす大力の持ち主です。
しかし、そんなお兼も年頃の娘であり、それ故に自身の切ない恋心を近江の名所にかけて明かし、純朴な姿を垣間見せます。
明朗で華やかな曲調と娘心を描くクドキ、長い布晒を使っての力強くもたおやかな踊りをご覧ください。
■曽我綉侠御所染
俠客の御所五郎蔵と星影土右衛門は京の廓で鉢合わせ、一触即発となるが、その場を茶屋甲屋の主人が収める。実はかつて互いに陸奥の大名浅間巴之丞に勤めていたが、五郎蔵と傾城皐月との不義を密告し、二人を領地から追い立てた張本人が土右衛門であった。
一方、旧主が思いを寄せる傾城逢州の身請けのために、金策に奔走する五郎蔵。支払期限が迫り、どうしても金の調達ができず途方に暮れる五郎蔵を心配する皐月の前に、土右衛門が金の工面を申し出る。五郎蔵を想い、土右衛門の意のままに、偽りの愛想尽かしをする皐月。その本心を知る由もない五郎蔵は突然の別れに激怒してしまい…
河竹黙阿弥により書き上げられた本作は、七五調の渡り台詞や『鞘當』の趣向、『縁切り』の場面など多くの歌舞伎の様式美が描かれています。すれ違う切ない恋模様や威勢のいい台詞回しと、みどころ溢れる作品をご堪能ください。
■高 坏
主人の大名某と共に太郎冠者、次郎冠者は花見に出かける。そこで酒宴をしようとするが高坏がないことに気づき、次郎冠者に買ってくるよう命じる。ところが、高坏がどんなものかを知らない次郎冠者は、高足売の口車に乗せられ高足を高坏と信じ込み買ってしまう。さらには、預かっていた大名の酒も高足売と飲んで酔いつぶれる始末。
戻ってきた大名たちは、次郎冠者が買ったものは高足だと指摘するものの、高坏だと言い張る次郎冠者はついには高足を履き、軽快に踊り出すのであった。
下駄でタップを踏み鳴らすという独創的な趣向の明るく楽しい舞踊劇をお楽しみください。